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父の残したモノ
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午後1時10分。当時小学1年だったワタシは、日曜の昼下がりの急な電話の音に何故だか恐怖を感じた。
母が受話器を取り、いつも通りに対応する。だんだんと声が震え、普段の母の声ではないコトに敏感に感じ取ったワタシは、母のスカートの後ろに隠れ、ぎゅっと握り締めていた。
何が起こったのか、はっきりとは理解出来なかったが、とても悲しい連絡だったのだろうと察した。
電話を切った母は、父の着替え一式を持ち、ワタシを連れてタクシーに乗り込み、とある病院へ向かう。
その途中、大きな較差点で一台の車がひっくり返っているのを見て、タクシーの運転手が教えてくれる。

「ほんのちょっと前にココで事故があったんだよ、それはすごかったよ...」

そんなコトを言ってたと思う。そう、その車はワタシの父のモノであった。

そして次の記憶は病院の中。
冷たくなった父が霊安室で横たわっていた。
担当医からは

「脳内出血で即死でした。苦しまずに逝けたと思います。」

と告げられた。
そして別の部屋に連れて行かれた。そこの部屋には、手術を終え、白く痛々しい包帯を巻いた姉と妹が麻酔でワタシ達に気づかず、静かに寝ていた。
幸いにも2人は2,3ヶ月程の入院で済むほどの怪我を負っただけで、命に別状はないとのコトであった。

1978年9月17日。この日も天気のよい青空の広がる日曜日であった。大工であったワタシの父は翌日の現場に備え、今日のうちに道具を取りに行くことにした。そんな父の誘いに、姉と妹は喜んで着いて行く。ワタシはその時、粘土遊びに夢中になっていたので断った。それから母を一人にするのが何だか可哀相に思えたのだ。
そして、冒頭の電話がなり、この日を境にワタシ達は永遠に父との別れをするコトとなったのだ。

ワタシの父は母との結婚の前に一度、別の女性と結婚をしていた。残念ながら彼女との間に子供は恵まれなかった。子供を持ちたかった父はその女性と別れ、そして母に出会った。
そして念願の子供を3人も持つコトが出来、おまけに自分で家を建てる夢も叶った。
そんな矢先の事故死。
...交差点で信号待ちをしていた父。ようやく信号が青に替わったので発進した直後、信号を無視してスピードを飛ばしてきた車と接触したのだ。相手はまだ20歳くらいの学生。彼は交通刑務所に入るコトになったが、模範守だったため、3年間でシャバに出るコトとなった。きっと彼は彼でヒトの命を奪ったと言う、重い十字架を背負いながら今も何処かで生きているコトだろう。




「人生、これからだったろうにね...」



と言っていたヒトも沢山いた。しかし、これが父の人生だったのだろう。家も子供も持つコトが出来た。とても幸せだったに違いない。
自分の夢が叶った人生。
そう思うと少し安心する。もちろん、父に2度と会うコトは出来ないけど、彼なりに自分の人生をまっとうしたんだろうな、と納得出来る。

ワタシ達姉妹は父にとっての形見。父から授かった命を無駄にしてはならないという使命がある。精一杯生かせてもらおうと、無言で亡き父から教わっている気がする。
だから

「生きていても、仕方ない。」

とか

「死んでしまいたい」

と言っているヒトを見たり聞いたりすると、あまり良い気持ちがしない。死にたくなくて死んだヒトだっているのに、何と独り善がりな感情だろう。自分の中の無限の可能性に気づく前に命を絶っていいのだろうか?確かに生きていれば辛いコト、逃げ出してしまいたいコトもあるだろう。でもそれは自分だけではないのだ。皆、辛く苦しいコトもあるのだ。そこで一旦立ち止まり、一度死んだと思ったら、もう怖いものなしで何でも出来るのではないか。死ぬ気になれば、何度でも挑戦出来る。でも死んだらオシマイ。
こういう辛い経験があるからこそ、何気ないコトに幸せだと感じるコトが出来る。ヒトを思いやる気持ちが湧いてくる。嫌なコトばかりでもないと思うのだ。




もう一つ、父が残したモノ。

オメガの腕時計。

父は仕事に行く時、必ず付けていた腕時計であった。もちろんあの日もちゃんと腕に巻かれてあった。そして二度と動かなくなってしまった、時計。

10年位前に見つけ、もったいないからワタシが使わせてもらおうかなっと、修理に出しキレイに磨いてもらい、ベルトも換えた。
ただ、事故の衝撃で受けた表面のガラスは換えるコトが出来なかった。
そしてこの時計は今、ワタシの元にある。これから先の未来を、ワタシと共に過ごすコトになるだろう。亡き父に代わって...




                                  

数日前、ニホンに居る母に電話をし、事故の連絡があった時間の確認をした。もう30年近く経つため、はっきりとした記憶がないらしい。
ワタシはちゃんと時計を見ていた訳でもないのだが、何故か1時10分っと思い込んでいる。
当時、シートベルトがない車を運転していた父。今だったら命を落とすこともなかった事故だったのかも知れない。皆さんも車に乗る際にはシートベルトを忘れずに...
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【2006/09/17 12:19】 | 家族 | トラックバック(0) | コメント(10) | page top↑
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コメント
そんなことがあったんですね…
小さい子供なりにも多大な衝撃があったのでしょう
でも、Mangoさん見ていると(っていうかブログを読んでいるだけだけど・・・)その衝撃につぶされないで家族がとっても仲良くやってきてたんだな~って感じがします

幸せって本人しかわからないよね
きっと御父様も子供ができて家を立てることができて幸せをたくさん感じることが出来た人生だったのでしょうね!
お父さんに負けないくらい幸せな人生を送りたいですね

それにしても子マンゴといいMangoさんといい
お宅の家系は何か第六感的なものを持っているみたいですね~
【2006/09/19 14:56】 URL | JapanSFO #HfMzn2gY[ 編集] | page top↑
mangoは早くにお父様と別れてたのね・・・
1年生だとあまり記憶に残らないだろうけど
こればっかりは鮮明に覚えてる出来事だろうね
交通事故死っていつまで経っても無くならないね
最近日本では飲酒運転を今更ながらに強く取り締まってるが
ホント今更・・・
大の大人が こうやってイチイチ検問とかしなきゃ善悪の区別がつかんのか?
mangoのお父様の事故は相手の信号無視ということだけど
どっちにしても不注意だもんね
お姉さんと妹さんが無事だっただけでも奇跡だったかもね。
後、あたしもむやみに死にたいとか言う人の言葉はあまり好きではない・・・
生きたいけど生き続けられない人がこの世の中どれくらい居るのかと思うとね。
【2006/09/19 16:23】 URL | あーちゃん #MDMkRtpI[ 編集] | page top↑
そんなことがあったんだね・・・
小学1年生の頃か~
寂しい思いをしたね?
でも、今この日記を読んでいたら、mangoはお父さんのことをとても尊敬していて、そしてとてもしっかりした考えを持っているね?
時計の針が1時10分・・・きっとそうだったと思うよ!
これからの人生、mangoもたくさん楽しんで行こうね!
【2006/09/19 18:01】 URL | Ashlee #-[ 編集] | page top↑
この話mangoから最初聞いた時やっぱり人には色々なドラマ
があるんだなって思った。
人が生きるって事はこうした出来事が蓄積されてそれが
自分にとっての道しるべみたくなるんだよね。
大切な人を失くす痛みは私にも分かる。
mangoの胸中は本当に痛みと困惑で一杯だったろうねぇ。
お父さんはたとえ姿が見えなくてもきっと側で見守っていてくれてるよ。
人生何年生きるじゃないからね?
どう生きるかだから!これからもmangoが納得する様に
生きていけばお父さんはあの世で絶対に微笑むはず!
【2006/09/20 15:34】 URL | くろねこ #-[ 編集] | page top↑
*SFOさん*

有難いことに、母子家庭だからっていうイジメもなかったし、他の家と比べて泣くってコトもなかったから、父が居ない生活が当たり前だったのよね。案外冷めた子供だったのかも?
ワタシは霊感のようなものは全くないんだけど、小マンゴーはあるかも知れないわ。彼が1歳の時、玄関の上の方を指差して、
「ワンワン、ワンワン」
ってずっと言ってたコトがあったの。そこの壁には義理母からもらった、手作りの壁掛け(本物の犬のヒゲ付き)があったんだよね...って怖い話ぢゃないからね!(爆)
【2006/09/20 19:21】 URL | mango #-[ 編集] | page top↑
*あーちゃん*

身近なヒトの死って、いろんなコトを教えてもらえるね?ワタシもそうやって家族に何かを残して逝きたいものだわ。
交通事故はなかなか減らないね~。車って便利だけど、凶器にもなるからね、ワタシ達だって加害者になりうるかも知れないし、常に安全運転を心がけないと。
あ、でも「Everybody dance now~」なんてCD流しちゃったら危険!自分にエンジンかかっちゃうから~!(爆)
で、何気に歳を暴露しちゃってた、ねワタシ...
【2006/09/20 19:28】 URL | mango #-[ 編集] | page top↑
*Ashlee*

父の居ない生活が当たり前になってたから、結婚して家にmango夫がいると、時々違和感があったり、オトコっていう生態にかなり戸惑いがあったりするよ。(おぃ
今日という日はもう戻らないっと思って家族と接していけたらいいんだけど、まだまだ修行の足りないワタシ...
Ashleeもご両親の近くにいる間はうんと親孝行してあげてね♪
【2006/09/20 19:35】 URL | mango #-[ 編集] | page top↑
*くろっち*

熱いメッセージ、ありがと!
くろっちの言うとおり、人生どう生きるかってコトが大事だね!
父の葬式の写真を見ると、ワタシどれも笑ってるんだよね?きっとへんな子だと思われたよ。(爆)
恥ずかしくって、涙流せなかったんだよね...
くろっちも来年からはニホンだから、いつでもご両親に会いに行けるね!思いっきり甘えて、そして親孝行してね♪
【2006/09/20 19:43】 URL | mango #-[ 編集] | page top↑
そっかー、こんなツライ経験をしてたんだね?
でも、お父さん!大事な宝を守りぬいたんだよね?
お姉さんと妹さんは、無事だったんだもん!!

自分の一生が終わる時まで、精一杯!人生を楽しもうよね?
山あり谷ありだから、学ぶ事も多い!
お父さんの分までね?
きっとこうして思い出して語ってる姿を天国でみてて
うれし泣きしてると思うよ!
『立派になったな!』ってね~^^
【2006/09/20 23:10】 URL | ひな #-[ 編集] | page top↑
*ひなさん*

何とも優しいメッセージ、ありがと!
うん、確かに姉と妹は父の命と引き換えに助かったとワタシも思うんだ。
母のお陰か、ちっとも寂しい思いをしたって記憶はないから、母子4人って形がごく普通だったよ。でもオンナ4人って、スゴイわよ~!何度修羅場をくぐって来たことか!(爆)
そんなワタシ達を天国で見守っている父は、密かに「危なかった~」と安堵しているかも?!
【2006/09/21 17:22】 URL | mango #-[ 編集] | page top↑
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